今回のアンコール上映で最後となるとのことで、
(またいつか再上映されるかもしれませんが)
リア王、見てきました。
山崎努さんの俳優ノートという書籍でリア王が取り上げられていて、
それが「リア王」という作品を意識した最初。
頭の固い私は(笑)
コミック版を買って、まずストーリーを全体把握。
もう、なんて愚かな王様なんだろう…と思いました。
そしてそれに余りあるほどに愚かな姉2人…
こんなに純粋で無垢な末娘がどうやったら育ったのか、
不思議でなりませんでした。
反面教師にしていたのかな…
ぼんやりとしたリア王への理解のまま、観劇。
そんな中で今回感じ取ったのは、
弱い犬ほど良く吠えるではありませんが、
怒り狂っている中にもリア王の悲しさが見え隠れして、
なんだか、とても寂しい人間だったのかなとガツンと思ったのです。
同時に、怒ってつっぱねることでしか愛情を表現できないんだなとも感じて。
救いようがないと思っていたリア王に、
やはり血と肉が通った人間なのだと冒頭から感じずにはいられませんでした。
ナショナルシアターライブは、
舞台製作に関わった人々のインタビューが見られるのも面白いところ。
その中で、
確か演出家の方だっと思いますが、
「サイモン・ラッセル・ビールは温かい男を演じさせたらピカイチだ。
なので、後半のリア王の演技は問題ないだろう。
問題は、前半の怒り狂った傲慢なリア王の演技のシーンだ。」
というようなことを語られていて。
私が感じた温かさ・悲しさは、
ビールだからこそ出せるリア王の背景だったのかもしれません。
※最近、このDVDでシェイクスピア作品を映像でも見はじめました。