2014/11/22(土) 12:00 ミュージカル「スリル・ミー」田代×伊礼

2014年12月2日火曜日

ステファンドルギノフ スリルミー ミュージカル 伊礼彼方 感想 観劇 栗山民也 田代万里生

t f B! P L
ミュージカル「スリル・ミー」

<出演>
私役 田代万里生 ×  彼役 伊礼彼方

ピアノ伴奏:朴勝哲

<公演日程>
2014年11月7日(金)~11月24日(月祝)

<劇場>
天王洲銀河劇場

*****

この日が、このペアのラスト観劇となりました。


万里生さんが考えた「私の愛」ドリンクをお供に。


以前から、私の周りで観劇した人たちは、
「万里生さんの"私"は策略しているのが見える」と話している方が多かったのですが、

実は、私自身はあまり感じたことがありませんでした。


とても可愛らしく、色気たっぷりの新納さんに振り回されているだけで、
そんな様子も微塵も見せていなかったところに、
どかーんとラストの展開で驚かされる。

という印象が強かったのです。


裕福な家庭に愛情かけて育てられたお坊ちゃまが、
どうしても振り向いてくれない彼にとった最終手段!

前々から計画をしていた様子を感じ取ることがなかったのです。


しかし、今回(特にこの日の観劇では)、
遠くをじっと見つめる万里生さん"私"の表情にぐっと惹きつけられました。


伊礼さんのじっくりしたお芝居に向き合ってか、
間合いをつめるように、まるで心理戦のような会話。


全てを動かし、彼を手のひらで転がしているような迷いない目線に惹きつけられました。


ただ、一つだけ想定外に見えたのが「殺人」。


本当はそのひとつ前の「銀行強盗」にさせておいて、
そこでわざと捕まろうとしたように見えました。


こう思ったのは、殺人計画を話し出した"彼"に対する動揺っぷりが尋常じゃなかったからです。

"彼"を人殺しになんてさせたくなかったのかな?
99年間手に入れたかったにしても。


お芝居面が初日よりもぐぐーんと深化し、
万里生さんがきれいに歌おうとするのをより放棄したように思います。

感情に任せて歌う様は、こちらも目頭が熱くなってしまいました。



今回、相手役が新納慎也さん→伊礼さんに変化したことで、
万里生さんの"私"からは、随分と深い闇を感じるようになりました。


伊礼さんの"彼"はこちらから動かないと何もしてくれなそうで、
それに合わせて生きてきたためかなとも思います。


その伊礼さんの"彼"は一番人間らしいのですが、
この作品においては本当に独特で。

本当に"私"が必要なのか? 
"私"は"彼"のどこがそんなに好きなのか?

全く分からなくさせます。


色々なところで聞く、栗山さんの意図としては正解なのでしょう。
(「"私"が"彼"を好きだってことが分かっていれば、
 お客に伝わらなくても良い」と稽古の時に話しているそうです。)


嫌でも想像が掻き立てられるわけです。。。w


メガネが発見されてからボロが出ていくさまは、本当にリアリティがあります。

そこから進み、
♪「死にたくない」は、ただの憐れな人でした(褒めてます)。

だから、殺人を辞めておけば良かったのに。。と突っ込まずにいられませんw



そういえば、伊礼さんの歌う時の見事な声の変化と響きには、
毎回驚いてしまいます。

"彼"でセリフを言う時は本当に無機質で、何にも関心がないような声色なのです。

歌う瞬間に輝きだす声。
重みと説得力が他の"彼"役の方たちと違います。


これだけ重みある声の"彼"は伊礼さんの持ち味ですね。
(柿澤さんも小西さんもbrightな(明るい)歌声なので)



このペアは、本当にCDで聞けるのがとても楽しみであります。
ハモリがピッタリ、二人の声とも良く聞こえるのです。


2月がとても待ち遠しいです♪




先日の大阪公演まで、本当にお疲れ様でした。

またお会いできるその日まで。

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