2017/10/01 劇団ピンクメロンパン第12回公演「量産型ガラパゴス」【池袋演劇祭審査員】

2018年1月7日日曜日

演劇祭 感想 観劇 審査員 池袋演劇祭 舞台

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第29回池袋演劇祭参加作品
劇団ピンクメロンパン第12回公演
「量産型ガラパゴス」

脚本・演出:東京たつみ

<日時・会場>
2017/09/27 (水) ~ 2017/10/01 (日)
シアター風姿花伝

<キャスト>
律人、網切幸大、一色史、神田明子、佐野恵海、西原純、古澤文教、
政野屋遊太、松下聡、吉澤悠太、米川塁
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第29回池袋演劇祭、審査員としての最後の観劇作品でした。

今年2回目のシアター風姿花伝。
行き方を覚えてきましたよふふふ。


劇団名も公演タイトルもどこかファンタジーで、
現代劇とはちょっと違っていそうな雰囲気を感じていました。


舞台美術も近未来でどこか異国の雰囲気だなぁと思っていたらドンピシャ。
地球から離れた異国の星の、ちょっと近未来なお話、でした。


話が二転三転もする大どんでん返し。
黒幕、かと思いきやその先にもさらに闇が広がっていて、
一本映画になりそうなくらいの壮大なストーリーでした。


主人公は虐げられている側の部族出身で、
仕事についても罵声を浴びせられ、
先輩からは嫌味を言われまくり。

そんな主人公は、どんどん出世をして行くのですが、
次第に自分の欲を追い求めすぎてどんどん自滅していきます…


出世のために自分の幼馴染を犠牲にするのですが、
その記憶に囚われて大事な演説中に発狂してしまったり…

人間が醜くなるのはこんなにもあっけないものなのかと。

でも、私には自分の価値を追い求め続けた主人公を攻められないなぁ…
と思いました。


誰でも自分の価値がほしくて、
資格を取ったり、お金をもっと稼ごうとしたり、
良い役職に就こうとしたり、
色々なことに必死になりながら、
自分の存在意義を追い求めてしまうものだからだと思うからです。


ですが、ラストのラスト、実はこの星に住んでいる人たちは、
地球の人たち(確か地球だったはず…)のクローンたちが住んでいる星で、
みんな結局オリジナルの人間ではなかったということが分かります。

存在意義は、地球の人たちがけがをした時などに臓器提供するためだけの価値しかないと。


ひょえー!こわーい!
と手に汗握りながら観劇していました。

何だかマトリックストゥルーマンショーを思い出すような、
根源の信じていたこと自体が全て空想された世界だった、
という結末。





人身売買やクローンについても描かれており、
お話がとてもとても壮大で、
映画化しても面白うだなと思うくらいでした。


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